格安航空会社(LCC)のバニラ・エアは19日、成田空港で18日夜、香港から到着した国際便の乗客34人が入国審査を素通りするミスがあったと発表した。着陸後、バスが誤って国内線ターミナルに客を運んだ。不審に思った客の通報で発覚。同社の館内放送での呼びかけに応じ、24人は戻って審査を受けたが、残り10人はそのまま空港外に出たとみられ、同社が連絡を取ろうとしている。
トラブルがあったのは、18日午後10時13分に到着した香港発便。乗客168人は着陸後、バス3台に分かれ、入国審査のため国際線ターミナルに向かうはずだったが、うち1台が誤って国内線ターミナルに客を降ろした。乗っていた34人は、入国審査を受けないまま空港の制限区域外に出た。
その後、誤りに気づいた客の1人が空港職員に申し出て発覚した。すぐに同社が館内放送で客に戻るよう呼びかけ、24人が戻って国審査を受けたが、残り10人は現れなかった。日本人9人と米国人1人だという。すでに空港外に出ているとみられ、同社が手続きを呼びかける連絡を取ろうとしている。
成田空港では昨年4月にも、台北から到着した同社便の客47人が、入国手続きを済ませないまま入国するトラブルがあった。今回と同様、バスが誤って国内線ターミナルに客を届けていた。
国土交通省は19日午後、同社を厳重注意する方針。(伊藤嘉孝)