中国多言語通訳コンテスト「第13回イオン杯」の日本語部門のコンテスト(撮影・許永新)。
北京第二外国語学院創立56周年だった24日、「第13回イオン杯」中国多言語通訳コンテストの準決勝と決勝が行われた。今回のコンテストには、日本語、フランス語、ロシア語、ドイツ語、韓国語、スペイン語、アラビア語の7部門が設置された。中国内外の大学113校の学生223人がオンライン予選に参加し、予選を勝ち抜いた43校の学生114人が24日の準決勝と決勝にオンラインで参加した。今年は新型コロナウイルスの影響で、コンテストはオンラインで実施され、審査委員はオフラインで審査を行った。人民網が報じた。
日本語から中国語、中国語から日本語の通訳コンテストも予選、準決勝、決勝が行われた。コンテストの出題内容は幅広い範囲をカバーし、新型コロナウイルスの影響下の中国経済の発展など、現実の生活に即したテーマのほか、中国絵画、漢字の歴史、シルクロード関連など、文化性、学術性に富んだテーマも選ばれた。こうした出題内容により、参加者は言語や知識だけでなく、その場での対応能力も試される。それぞれの参加者が高い能力を披露して激戦を繰り広げ、素晴らしいコンテストとなった。最終的に、同時通訳の一等賞は上海外国語大学の銭■さん(■は金へんに成)が、逐次通訳の一等賞は北京第二外国語学院の唐晨さんが受賞した。
北京第二外国語学院の程維副学長は挨拶の中で、「『イオン杯』は中国国内、ひいては世界でも大きな影響力を有する多言語通訳コンテストになっている。このプラットフォームを通して、皆さんには、広く交流し、相互参考を行い、専門的な分野でさらにスキルアップしてもらいたい」と語った。
中国翻訳協会の陳衆議副会長は挨拶の中で、「翻訳の仕事は、外国人が中国を読み解くことと密接な関係がある。私たちは大いに自信を抱き、様々な国と相互学習、交流を行い、海外の人が中国に対して、全面的で客観的、かつ良いイメージを抱くことができるようにしなければならない。通訳コンテストというプラットフォームを通して、各世代の新しい人材が育ち、文化の交流と発信がさらに促進されることを願っている」と語った。
コンテストのスポンサーであるイオングループ(永旺集団)傘下のイオン(中国)投資有限公司の横尾博理事長はビデオ通話を通して挨拶を述べ、「通訳コンテストは学生が実力を発揮するプラットフォームであると同時に、通訳教育に恩返しをする場でもある。参加者の皆さんが各業界で輝きながら活躍し、日中友好、アジアの平和に寄与することを願っている」と語った。
北京第二外国語学院日本語学院の楊玲院長は取材に対して、「毎年の出題内容を見ると、その原則はほぼ変わりがなく、通訳のコア・コンピタンスが試されている。しかし、その分野や話題は時代に合わせて変わっている。中国が世界の中心分野へと進出するに当たり、技術の分野のほか、例えば今回のコンテストで出題された文化や学術の分野の通訳も、非常に重視すべき分野となっている」との見方を示した。
そして、「出題内容を見ると、通常の通訳教育や人材育成ではあまり触れられない分野もあるかもしれないが、コンテストが教育や人材育成に対する旗振り役となり、関連分野の専門人材の育成に一役買うほか、文化の外国語翻訳、学術の外国語翻訳に資するものとなり、中国のストーリーをうまく伝え、文化に対する自信を高めてくれることを願っている」と強調した。
今回の「イオン杯」は、中国翻訳協会と北京第二外国語学院が共同で主催し、同学院日本語学院が開催した。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年10月27日