電柱の電線が切り取られていた現場=滝川市
北海道新十津川町と滝川市で今月初旬から、電柱の電線が切断され持ち去られる被害が相次いでいることが、滝川署への取材で分かった。4カ所で計約2500メートルに及び、同署は何者かが換金目的で盗んだ可能性もあるとみて、窃盗容疑で捜査している。
署によると、今月6日、新十津川町大和で約600メートル、同町花月で約400メートルの電線がなくなったと北海道電力から届け出があった。滝川市江部乙町では15日に民間会社が保有する電線500メートルが、21日には北電の電線約1キロメートルが持ち去られた。何かを使って切断されたような跡もあった。現場はいずれも人通りが少なく、夜は真っ暗になるという。
被害に遭った建設会社の男性経営者(43)は「修理代が50万円ほどかかった。これ以上被害が出ないよう早く犯人が捕まってほしい」と話した。
電線などに使われる銅の値段は、昨年秋ごろから値上がりが続いている。業界団体「日本電線工業会」(東京)によると、5月の銅の取引価格は1トンあたり67万1600円と、1年前と比べ2割超値上がりした。今月20日現在でも68万円になっている。アジアの新興国を中心に、世界的に銅の需要が伸びていることが背景にあるという。(今泉奏、上地兼太郎)