国家戦略特区での獣医学部新設をめぐり、民進党は22日、調査チームの会合を開き、実質的に加計(かけ)学園しか応募できなくなる要件を萩生田光一・官房副長官が指示したと記されたメールについて内閣府にただした。内閣府は山本幸三・地方創生相の指示で要件を加えたと説明したが、民進党はメールにその記載がないとして、山本氏の指示を示す証拠の提出を求めた。
萩生田氏発言、残る疑問 文科省「関係者の記憶曖昧」
特集:加計学園問題
メールは昨年11月1日に内閣府から文科省に送られた。「指示は藤原審議官曰(いわ)く、官邸の萩生田副長官からあったようです」と記され、萩生田氏は「指示したことはない」と否定した。
22日の会合で、内閣府の担当者は「文科省との打ち合わせ後に、山本大臣から修正の指示をいただいた」と説明。民進党の玉木雄一郎氏は「メールには山本大臣の名前が1カ所も出てこない。担当大臣の指示なら『山本大臣の指示』と書くはず。後から取って付けたようなことを言っても納得できない」と反論した。
一方、安倍晋三首相が具体的な開学時期に触れたなどとする「萩生田副長官ご発言概要」と題した文書について、民進党側は「職務上作成したのか」「組織的に用いたのか」と質問。文科省は「(担当職員が)個人として」と繰り返したが、「(フォルダーで)共有されているんだから公文書」と議員から指摘が相次いだ。