川崎市川崎区の私立大師幼稚園に通っていた4歳の男女2人が相次いで死亡したことが明らかになって約1週間。感染症を疑わせる病原体は見つかっておらず、市は死因は別々だったとの見方を強めて調査を続けている。
川崎の園児2人死亡、感染症示す結果出ず
市や幼稚園によると、女児は4日から吐き気を訴え、急性胃腸炎との診断を受けた後、6日に亡くなった。男児は12日朝から発熱し、けいれんを起こして正午過ぎには死亡が確認された。市の関係者によると、他の児童には目立った症状がない上、2人の症状が異なっていることから、感染症だったり、同じ病気だったりした可能性は低いという。また2人が死亡した時期が約1週間離れており、共通の症状が見られないことから、集団食中毒の疑いも低いとされる。
子どもが突然死する病気としては、ウイルスが心臓停止の原因になったり、呼吸器系に影響したりするものが考えられる。市はこうした病気も視野に調査を進めているが、2人から採取した血液からは原因となるウイルスなどは見つかっていない。新型のウイルスや、既存のウイルスが形を変えたものも見つかっていないという。
市は引き続き2人の検体を詳しく調べる方針で、園児の過去の健康状態の記録などを確認した上で、最終的な判断を示す見通し。少なくとも2週間ほどかかりそうという。
これまでに感染症の疑いは完全には否定できないとしながらも、「少なくとも広がりやすい感染症ではない」との見解を示している。幼稚園は25日まで自主休園しているが、他の園児には、その後も重い症状は出ていないという。(石原剛文、斎藤茂洋)