7月30日の大会ポスター
コンブ漁師、酪農家、トラック運転手、銀行員……。リングを下りると、みんなもう一つの顔を持っている。北海道根室市の「新根室プロレス」。不景気に沈みがちな街を元気づけようと、2006年に結成したアマチュアの格闘技団体だ。今年最初の大会は30日。本土最東端の街にゴングが鳴る。
「全員素人ですが、プロ顔負けのファイトを見せたい。小さな田舎町でもやればできるんです」。創設時からのメンバーで本部長の宮本賢司さん(44)=玩具店経営、リングネーム・オッサンタイガー=は語る。
神社の境内や公園などを会場にした露天の特設リング。試合は年4~5回。寒冷地なので開催時期は限られている。札幌や釧路に遠征することもある。
宮本さんの兄(51)が中古のリングをネットオークションで100万円で落札し、プロレス好きの仲間に呼びかけ、お金を出し合い05年「根室プロレス同好会」を結成。翌06年9月、「新根室プロレス」として旗揚げした。①無理しない②けがしない③明日も仕事――が合言葉だ。
女性4人を含め、現在24人。最年少19歳の男性は建設会社に勤務。練習生なのでリングネームはまだない。最高齢のジムニー伊藤(59)は持病の腰痛が悪化したためリングにあがることはないが、審判部長として後進の指導に励む。「123歳の世界最高齢レスラー」を自称するのはジジー・スヌーカー(48)。腹巻きとももひき姿で杖をつき、リングにあがる。
観戦は無料。場外乱闘や流血な…