川崎に敗れ、引きあげる興梠(30)ら浦和の選手たち=長島一浩撮影
前半戦を終えて8位と低迷するサッカーのJ1浦和が9日のホーム新潟戦で正念場を迎える。5日の川崎戦では4失点で大敗し、サポーターが選手バスの移動を妨げる事態に。浦和のミハイロ・ペトロビッチ監督はサポーターの前で「新潟戦から連勝できなければ、私は去らなければならない」と宣言し、背水の陣で臨む考えを明らかにした。
6日の練習前、浦和は約50分、ミーティングを行った。映像を見ながら前日の失点の場面をおさらいし、今後の戦い方について話し合った。川崎戦ではペトロビッチ監督が就任して以来ずっと基本戦術としている3バックではなく、4バックで臨んだ。前線からプレスをかけるのが狙いだったが、ほとんどの選手が試合後「うまくはまっていなかった」と振り返る。急造の戦術は機能しなかった。
この敗戦で今季7敗目で29失点。前半戦だけで早くも昨年の成績(6敗、28失点)を下回った。浦和MF柏木陽介は「やっている選手たちの顔に覇気がない。自分たちのサッカーを忘れている」と顔をしかめる。立て直しが急務だ。
浦和の山道守彦強化本部長は「監督を全力でサポートする。それが全て」と現状では解任する考えがないことを明らかにしている。ただ、ペトロビッチ監督はわざわざバスから降り「新潟戦から連勝できなければ最初にチームから出ていく」と悲壮な決意をサポーターたちの前で示した。「君たちが我慢が限界だというのもわかる。でもきついときほど応援して欲しい」などと約1時間、サポーターたちに訴えた。
川崎戦から中3日で新潟戦を迎える。広島時代からペトロビッチ監督を慕うDF槙野智章は「監督が責任を取るというが、プレーしているのは僕たち。浦和に来たのも監督が呼んでくれたからで、監督を助けるのも自分たち次第」と奮起を誓った。(河野正樹)