水族館の職員が剝製にしたアリゲーターガー=姫路市西延末
兵庫県たつの市御津町中島の揖保川支流の中川で、5月に釣り上げられた北米原産の巨大肉食魚「アリゲーターガー」の剝製(はくせい)ができあがった。ガーは観賞用に飼われていたものが捨てられたとみられることから、姫路市立水族館(同市西延末)が、外来魚を川に捨てないように呼びかけるために剝製にすることを決めた。職員らが約1カ月かけて自分たちで剝製にした。8日から水族館で展示する。
水族館によると、ガーは成長すると体長2メートルを超え、寒さに強いため日本の川や池で何年も生きることができる。剝製は体長約109センチで、日本の淡水魚にはないワニのような鋭い歯が特徴だ。新館2階の外来魚・希少淡水魚コーナーに展示する。
水族館では市内外の川で捕獲されるなどした生きているガー4匹も展示しており、担当者は「川に放すと生態系に影響を与えたり、人に危害を加えたりする可能性があることを考えて、飼う場合は最後まで責任を持ってほしい」と話している。
このガーがいた中川付近では昨年6月から目撃されるようになり、食害によりアユやウナギが減るのを懸念した地元の揖保川漁協は昨年11月、水中に電気を流しショックを与えて捕らえようと試みた。今年5月2日夜、姫路市の男性がサンマの切り身をえさに釣り上げていた。