宮城農―仙台 四回表宮城農2死、伊藤がチーム初安打を放つ=石巻
(24日、高校野球宮城大会 仙台7―0宮城農)
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宮城大会3回戦で、宮城農の右打者が「左打席作戦」を敢行した。一回、右打ちの3番・伊藤良太朗が左打席へ入る。2ストライクと追い込まれると右打席に変更。一見、奇怪に見える行動にはもちろん理由があった。
対戦相手の仙台・佐藤隼輔は大会屈指の左腕。赤井沢徹監督は「(球筋を見極めるには)いろいろな見方がある」と選手に話した。そこで「左打席作戦」が生まれた。左だと、右で見にくかった左投手の変化球の軌道が見やすくなることがある。「相手は左に弱いと聞いたので、(球数を増やし)体力を削る」(伊藤)という狙いもあった。
左打席では当然、打つことは難しい。ほかの打者も最初はボールをみることに重点を置き、1巡目は6者連続三振を含め、ひとりの走者も出せなかった。
だが2巡目から変わる。四回に伊藤が初球をたたいてチーム初安打。六回には中村海斗と林田大河が連打を放った。得点は奪えなかったが、好投手を打ち崩そうという意気込みは最後まで衰えなかった。
宮城農の校舎は東日本大震災の津波で被災した。今の仮設グラウンドはOBらがつくり、母校の土を入れた。来春完成する新校舎のグラウンドには、仮設の土を移す予定。好投手に挑んだ経験と悔しさも、新グラウンドに引き継がれる。=石巻(津布楽洋一)