追悼集会では、19個のろうそくを前に犠牲者に黙禱(もくとう)を捧げた=26日午後1時14分、横浜市戸塚区、岩堀滋撮影
相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害された事件から26日で1年を迎え、事件で亡くなった人を追悼するとともに、事件で浮かび上がった社会的な問題を考える集会がこの日、相次いで開かれた。
横浜市中区の催しには、関東学院大学の学生ら200人余りが参加し、事件の背景を考えた。NPO法人「日本障害者協議会」の藤井克徳代表は「世界的に強まっている効率主義や排外主義は、(命に優劣があるとする)優生思想と地続きだ」と指摘。政策のレベルを上げて障害者の環境を改善し、健常者が障害者とじかに触れ合って無知や無関心を解消していくべきだと訴えた。
浅野史郎・前宮城県知事や学識者が呼びかけ、横浜市戸塚区で開かれた集会には障害者ら約300人が参加し、「ともに生きる社会」を考えた。遺族の要望で犠牲者19人の氏名が公表されておらず、24日に神奈川県などが開いた追悼式でも19人の遺影がなかったことから、「これこそが差別のある現実だ」という問題提起があった。殺人罪などで起訴された植松聖(さとし)被告(27)があらわにした優生思想について、「共感する人間が再び出てくるのではないか」と懸念する声も出た。
横浜市瀬谷区では地域の障害者…