献花をする大月和真・家族会会長=相模原市南区、代表撮影
24日にあった津久井やまゆり園の追悼式で、入所者家族会の大月和真会長は「なすすべもなく命を奪われ、傷つけられた方々の無念さを思うと、今でも体が震える。そして、遺族がこの1年間に味わった苦悩を思う時、心が震える」と追悼の辞を述べた。要旨は以下の通り。
津久井やまゆり園事件から1年 670人集い追悼式
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昨年の7月26日は、よく晴れた空が青く高い日でしたが、未明に起こった未曽有の惨事で、津久井やまゆり園は途方もない混乱に落とし込まれました。元職員により19名の尊い命が無残に奪われ、27名という多くの方が負傷しました。
怖かったろうに、痛かったろうに。なすすべもなく命を奪われ、傷つけられた方々の無念さを思うと、今でも体が震えます。そして、ご遺族の皆さまがこの1年間に味わわれたであろう苦悩を思う時、心が震えます。「19の御霊よ、安らかに」と心よりご冥福をお祈りいたします。そして、私たちはあなた方のことを決して忘れません。
犯人はいまだに自分が犯した大罪に気づかず、「障害者はいなくなればいい」というむなしい言葉で私たちの心を傷つけています。
この1年間、私たちは大きな不安と混乱の中で暮らしてきました。事件さえなければ、決して味わうことのない苦悩の日々でした。私たちのささやかな幸せが、わずか30分あまりの残忍な犯行で踏みにじられてしまった悔しさは、時に触れ、折に触れ、こみ上げてきます。卑劣な犯人を決して許すことはできません。
しかしながら、傷つけられた方々は全員生還し、仮移転先の横浜市港南区芹が谷の地に多くの仲間が集い、6月には笑顔がきらりと輝き、やっと1年ぶりに笑顔が戻ってきました。
園の再生を希望の地に、この地で4年間を過ごす自信につながっているような気がしています。
少しずつですが、以前の生活を取り戻しつつあります。19の御霊に「安心して下さい」と言えない悔しさはありますが、希望を持ってみな暮らしています。
この1年、本当に多くの方々から賜りましたご厚情と励ましに感謝いたします。山のような献花、本当にありがとうございました。
そして、耐えがたいこんな事実を乗り越えて、ここまで子供たちや兄弟姉妹を導いて下さいました社会福祉法人かながわ共同会、および津久井やまゆり園職員の方々に、心から感謝を申し上げます。
園の再生については、津久井やまゆり園が今後50年、100年と続く施設であることを念頭に、19の御霊とともに、心を合わせて取り組んでいきたいと思います。