民進党の加計学園疑惑調査チームの会合で、文部科学省、内閣府などの職員に質問する桜井充氏(中央)=26日午後、東京・永田町の衆院第1議員会館、岩下毅撮影
国家戦略特区での獣医学部新設について、山本幸三・地方創生相が、学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)と同様に獣医学部新設を計画していた京都府、京都産業大とも連絡をとっていたなどとした24日の国会答弁に対し、内閣府は26日、「大臣が答えた中身について確認できていない」とする見解を明らかにした。
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特集:加計学園問題
26日の民進党の調査チームの会合で、内閣府の塩見英之参事官が説明した。
京都産業大は14日に獣医学部計画断念を発表した記者会見で、「昨年10月17日の(内閣府の)ヒアリング以降、内閣府からの連絡は聞いていない。(特区の)提案主体の京都府からも、全くそういう動きは聞いていない」などと説明した。
これを受け、民進の今井雅人氏が24日の衆院予算委で「内閣府は何度も、今治市と加計学園には(獣医学部新設について)話をしている。(京都府・京産大に)あまりに冷たくないか」と指摘。これに対し、山本地方創生相は「随時連絡をとっている」「京都府の知事や副知事とも話をしている」などと答弁した。
民進のチームは、山本地方創生相と京都府とのやりとりの記録について内閣府に説明を求めたが、塩見参事官は「事前に何かを調べて、大臣に説明して(国会で)発言していただいたということではない」と説明。「大臣が直接やりとりした記憶もあるかもしれない」とも述べ、山本地方創生相自身が内閣府を介さず、京都府と連絡をとっていた可能性に言及し、答弁の根拠となった記録を把握していないことを明らかにした。(杉浦幹治)