独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の再現実験で発火するモバイルバッテリー(NITE提供)
ノートパソコンやスマートフォン、モバイルバッテリーのリチウムイオン電池が発火したり発熱したりする事故が2012~16年度の5年間で274件にのぼった。重いやけどを負った事故もあり、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE〈ナイト〉)が注意を呼びかけている。
NITEが27日公表した。電池は高容量で軽いためモバイル機器に多く搭載されており、3製品での事故は12年度の19件から年々増加。16年度には108件にのぼった。274件のうち約7割は製品や周囲が焼ける火災などの被害だが、使用者の男性が重いやけどを負う事故も1件あった。
事故の原因は、製造不良など製品の不具合によるものが127件。ポケットにスマホをいれた状態で転んだ衝撃で電池が発熱したり、バッテリーの充電時に他社製の充電器を使って発火したりといった誤使用や不注意による事故も4件あった。また274件のうち93件(34%)はリコール対象製品だった。
NITEは「(リチウムイオン電池を搭載した)製品は外部から衝撃が加わると異常発熱などにつながるおそれがある。かばんなどに入れて持ち運ぶ際は衝撃が加わらないように注意して」と呼びかけている。(末崎毅)