広報部長を解任されたスカラムッチ氏=AFP時事
トランプ米大統領は7月31日、10日前に広報部長に指名したアンソニー・スカラムッチ氏(53)が辞任すると発表した。米メディアなどによると、ラインス・プリーバス前大統領首席補佐官の後任として同日就任したジョン・ケリー首席補佐官(67)がスカラムッチ氏の更迭を求め、トランプ氏が解任に踏み切った。米政権幹部の解任・辞任が相次ぎ、ホワイトハウスは混迷を深めている。
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ホワイトハウスは31日の声明で、スカラムッチ氏の辞任を発表し、その理由について「スカラムッチ氏は、ケリー首席補佐官が白紙の状態で自分のチームを築けるようにするのが最善だと感じた」とした。ホワイトハウスのサンダース報道官も31日の記者会見で、スカラムッチ氏の辞任は本人も含めた複数人の間での「相互合意」と説明した。
一方でサンダース氏は「大統領は、(スカラムッチ氏の)発言が立場として不適切だと感じていた」と述べた。発言の詳細には言及しなかったが、スカラムッチ氏はこれまで、ケリー氏の前任のプリーバス氏を「偏執狂」と口汚い言葉で非難していた。
スカラムッチ氏の広報部長起用は21日に発表されたばかり。投資家出身で政治経験のない同氏の起用に、ホワイトハウス事務方トップだったプリーバス氏や大統領報道官のスパイサー氏が反発し、両氏の解任・辞任につながった。
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