米新聞大手ニューヨーク・タイムズ(NYT)は27日、電子版の購読者が6月時点で202万7千人に達したと発表した。1年間で67%伸びた。NYTによると、報道機関の電子版で有料会員が200万人を超えたのは初めて。
NYタイムズ電子版、四半期最大の伸び 政権批判に支持
NYタイムズ、編集者減らし記者100人増 調査報道・デジタル強化
トランプ政権の発足で米国発ニュースへの関心が高まるなか、政権に批判的な報道を続けるNYTが米国内外で新たな購読者を獲得している。クロスワードのアプリを含めると有料会員は233万人に達した。
電子版の急成長は収益にも貢献した。この日発表の2017年4~6月期決算は、売上高が前年同期より9・2%増えて4億707万ドル(約450億円)。購読料収入が同13・9%伸びただけでなく、広告収入も紙媒体の落ち込みを電子版が補って同0・8%増えた。前年同期は赤字だった純損益も1560万ドル(約17億円)の黒字に転じた。
電話会見したマーク・トンプソン最高経営責任者(CEO)は「質が高いジャーナリズムへの需要が世界中で膨らんでおり、進んでお金を払おうという人々が増えている」と語った。
好決算を受けてNYT株は27日、前日より8・7%値上がりした。昨年11月の米大統領選直前に比べると8割高い水準まで買われている。(ニューヨーク=江渕崇)