憲法が二重国籍者の議員就任を禁じるオーストラリアで、野党ニック・ゼノフォンチームのニック・ゼノフォン上院議員(58)が19日、父親が英領時代のキプロス出身だったため、自身も英国籍を持っていた、と発表した。豪州の国会議員で、二重国籍が問題になったのは7人目。海外にルーツを持つ議員が多く、「二重国籍疑惑」はさらに続く気配だ。
同議員の父は1960年まで英領だったキプロスの出身で51年に豪州に移住。自身は59年に豪州で生まれた。英政府に照会したところ、英領時代の父の英国籍が受け継がれていた。
豪州では7月、外国生まれの野党の上院議員2人が二重国籍が発覚して辞職。その後、ターンブル首相率いる自由党と連立政権を組む国民党党首のジョイス副首相(下院議員)、ナッシュ地域開発相(上院議員)、カナバン上院議員も親が外国出身などの理由でそれぞれ、ニュージーランド、英国、イタリアとの二重国籍が発覚した。また、野党ワンネーションのロバーツ上院議員が議員になる際に二重国籍だった疑惑が浮上している。
ただ、ゼノフォン議員ら5人は、自らの意思と関係なく外国籍を持っていたとして辞職せず、最高裁に議員の資格があるかの判断を求める。カナバン議員は7月25日の発覚時に、閣僚(資源・北部担当相)を辞任したが、ジョイス、ナッシュ両氏は閣僚も辞任していない。
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