IPCのアンドルー・パーソンズ会長
国際パラリンピック委員会(IPC)は8日、アブダビで総会を開き、3代目の会長に、IPC副会長で元ブラジル・パラリンピック委員会会長のアンドルー・パーソンズ氏(40)を選んだ。任期は4年で、2020年東京パラリンピックはパーソンズ会長のもとで行われることになる。
会長選挙は1回目の投票で決まり、パーソンズ氏が半数を超える84票を得て当選。張海迪氏(中)が47票、ヨン・ペテルソン氏(デンマーク)が19票、パトリック・ジャービス氏(カナダ)が12票だった。副会長にはドゥエーン・ケール氏(ニュージーランド)を選出。日本パラリンピック委員会の山脇康委員長は理事に再選された。
16年間務めて任期満了で退任するフィリップ・クレーブン会長(英)はロシアのドーピング問題に対して、「ロシアの行為はパラリンピックの高潔性の精神を踏みにじった」と厳しい姿勢で臨み、ロシア選手団は昨年のリオデジャネイロ・パラリンピックに出場できなかった。
パーソンズ氏はさっそくロシアのドーピング問題への対応を迫られる。来年3月の平昌(ピョンチャン)パラリンピックにロシアが出場できるかについて、11月に判断を下すことになる。パーソンズ氏は記者会見で「処分解除の要件は決まっていて明確だ。11月にある世界反ドーピング機関(WADA)の判断が節目になる。作業部会から報告を待って判断したい」と語った。
パーソンズ氏は20年東京五輪パラリンピックで、国際オリンピック委員会(IOC)の調整委員会の委員も務める。「東京への期待は非常に高い。東京だけでなく、日本、アジアにとってレガシーになる大会として欲しい」と話した。(アブダビ=河野正樹)
《IPC理事に再選された日本パラリンピック委員会の山脇康委員長の話》 (選挙戦で)史上最高の大会にして欲しいという東京2020への大きな期待を感じた。会長も副会長も東京をよく知っている。IPCと東京の橋渡し役として努力したい。
《東京組織委・森喜朗会長の話》 東京、日本をよく知るパーソンズ氏が会長に就任されると聞いてとても心強い。若さとブラジリアンパッションでますますパラリンピックの世界を牽引(けんいん)いただきたい。