尖閣周辺海域に向けて出港する海上保安庁の巡視船。奥は中国・広州から寄港した観光クルーズ船=6日午後5時58分、沖縄県石垣市の石垣港、小山謙太郎撮影
尖閣諸島周辺の領海への侵入を繰り返す中国公船を最前線で監視するのが、魚釣島から南南東に約170キロの石垣島に常駐する石垣海上保安部(沖縄県石垣市)だ。
海上保安庁は2016年度末までに、大型の巡視船12隻を擁する尖閣諸島警備の専従体制をつくり、石垣海保に10隻、残り2隻は沖縄本島に配備した。石垣海保は約700人体制と、全国最大規模になった。
中国船が領海に侵入すると、海保の巡視船は一定の距離を保って並走し、「ここは日本領海だ」と退去を求める。すると「ここは中国の領海だ」と反論するという。遠山純司保安部長は「中国側は50年、100年の単位で尖閣問題に対応している。短絡的に彼らとぶつかり合うことは、かえって付け入る隙を与えることになる」。
海保の増強に加え、石垣島で進みつつあるのが「要塞(ようさい)化」だ。政府は13年の防衛大綱で「島嶼(しょ)部への部隊配備」を明記。初動対応を担うため、奄美大島(鹿児島県)、宮古島(沖縄県)に加え、石垣島に艦船を攻撃できるミサイルを備えた500人規模の陸自部隊配置を計画する。今年5月には石垣市に駐屯地計画図を提示した。予定地とされるゴルフ場と市有林は島のほぼ中央に位置する。
中山義隆市長は「年内にも受け…