9日の公式練習前に笑顔を見せるエリボー(中央)
サッカー日本代表は10日午後7時半から日産スタジアムで、ハイチ代表との親善試合に臨む。ハイチ代表には、ハイチ人の父と日本人の母を持つMFザカリー・エリボーがいる。大阪生まれで、関西弁交じりの日本語を流暢(りゅうちょう)に話す21歳にとって日本での試合は初めて。「めっちゃ楽しみ」と憧れの舞台でのプレーを心待ちにしている。
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エリボーは1996年、大阪府吹田市に生まれた。3歳で米国に移住。幼少期からサッカーに親しみ、米国のU15代表候補に選ばれると、ハイチでも各年代で代表入りを果たした。日本にもたびたび訪れ、高校時代には大阪桐蔭高校の合宿に参加したこともある。国籍を持つ三つの国で豊かな経験を積んできた。
現在は米プロリーグMLSのニューイングランド・レボリューションで元日本代表・小林大悟とともにプレー。186センチの大型ボランチとして活躍している。
本人の夢は「日本代表」。しかし国際サッカー連盟(FIFA)の規約では、多重国籍の選手の場合、A代表の公式戦に出ると、他国の代表にはなれない。ただ親善試合であれば、他国の代表になれる可能性が残ることを代理人が確認し、今回初めてA代表の招集に応じたという。
幼少時代から日本代表を応援してきたというエリボー。「いつも見ていた」という本田は招集外となったが、「長友選手はお母さんが大好きだし、香川選手など日本にはめっちゃいい選手がいる」とピッチでの対決に胸を高鳴らせる。
勝負にはこだわるつもりだ。「めっちゃ自信はある。日本はいいチームだけど、勝ちたい。それが日本への一番のアピールにもなる」。特別な一戦に闘志を燃やしている。(岩佐友)