第2クオーター、関学大のWR松井は甲南大DB土井(左)のマークをかわし、タッチダウンパスを受ける
アメリカンフットボールの関西学生リーグは折り返しの第4節を終えた。8日、2連覇を狙う関学大が42―7で甲南大を下して4戦全勝とした試合で、高校時代から高め合ってきた2人の戦いがあった。
関学大のWR松井理己(りき、3年)と甲南大のDB土井康平(4年)。兵庫・市西宮高のアメフト部で、土井が1年先輩だった。部員30人ほどの小所帯にあって、彼らは毎日のようにマンツーマン勝負を繰り返した。松井の前に土井がセット。松井はあらゆる手段で土井のマークを外そうとする。土井はステップ巧みに後ろへ下がりながら対応する。そしてQBがパスを投じる。松井が捕るか、土井が阻止するか。そんな勝負を、1日20~30回繰り返した。
大学へ進み、甲南大が1部に復帰した昨秋、初めて敵味方に別れて対戦した。土井はこの試合でなんと、三つのインターセプトを決めた。「甲南に土井あり」を強烈にアピールする一戦になった。そのうちの一つが、松井へ投じられたパスだった。松井はそこから関学のエース格に成長していったが、心の片隅で「1年後、土井さんにやり返す」との思いを持ち続けていた。土井も「大学ではやらない人も多い高校やったんで、1部リーグで対戦できるのはほんまにうれしい」と待ち望んでいた。
■再び勝負の時が
そして再び勝負する日がきた。ただ、松井の前に土井がセットする状況でもパスとは限らない。お互いに心を研ぎ澄ませ、その瞬間に備えた。
第1クオーター(Q)、関学の…