力投する西武先発の菊池=林敏行撮影
(14日、プロ野球CS 西武10―0楽天)
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投げた勢いで左足がピーンと体の前に上がる。それが西武の菊池が全力投球した合図だ。一回、早くも菊池の足が跳ね上がった。
2死二塁で、打席には楽天の4番ウィーラー。「相手の先発は則本さん。先取点を与えるとギアを上げてくる。それだけは防ぐ」
150キロ台の直球を連発して追い込む。最後は左足を跳ね上げ、155キロを外角へ。「ランナーを出してから、ギアを上げられるのが今年ですから」。棒立ちの見逃し三振に取り、無失点で滑り出した。
エースの覚悟がうかがえる姿に、奮起した打線は序盤だけで7得点。菊池には十分過ぎる援護で、「伸び伸び投げられた」。大差がつき、中盤で交代を打診されたが続投を志願。「やりきった感がないままよりも球数が増えても行く(続投の)方が、次に向けて勢いがつくのかなと」。9奪三振で9回を投げきり、リーグ5人目のクライマックスシリーズ(CS)初登板完封勝利にたどり着いた。
文句なしの結果を残したエースに、辻監督は「口では3試合あると言っているが、きょうは(菊池)雄星で絶対に落とせなかった」と心底ホッとした様子。
2007年にCSが導入されて以降、パ・リーグでは第1Sの第1戦を勝ったチームが、すべて最終Sへ進んでいる。菊池は「何とかいい流れでバトンを渡せればと思っていたので、最高の結果で良かった。ホッとしてます」。(松元章)