タイの教育イベントの会場に設けられた学習誌「みっけ」のブース。奥の机でタイの教師らが説明を受け、アンケートに答えていた=タイ・ノンタブリ県、貝瀬秋彦撮影
タイの首都バンコク近郊で16日、教育イベント「EDUCA2017」が始まった。タイの教員の能力開発などをテーマに、大勢の教育関係者が集ってセミナーを開いたり、教育関連事業者がブースを出展したりするイベントだ。朝日新聞社メディアラボと広告会社・博報堂が共同で創刊し、タイの小学校に無料で配布している教材フリーマガジン「みっけ」に関するブースも出された。
「みっけ」は、新興国などから注目されている日本の教育手法を広める取り組みとして、昨年9月にタイで創刊。小学校高学年向けで、朝日新聞出版の学習誌「かがくる」や朝日小学生新聞の記事などを生かしている。子どもたちが様々なことを発見して驚いたり、喜んだりする「みつける」場という意味を込めて名付けられた。
隔月で発刊され、現在はバンコクを中心に、236校に計約11万部が配られている。イラストやマンガ、写真などを豊富に使って、子どもたちが学習に興味を持つよう工夫を凝らしている。日本型の教育の仕組みを途上国に活用してもらう文部科学省の事業「EDU―Portニッポン」の「応援プロジェクト」にも採択された。
「みっけ」のブースにも教員らが次々に訪れ、説明に聴き入っていた。北部ノンカイ県の小学校に勤める女性教員(36)は「いろんな学習内容が入っていて興味深い。マンガや絵も豊富で、子どもたちも関心を持つのでは。持ち帰って、同僚たちと議論してみたい」と話した。
17日午後3時半から「みっけ」の担当者による講演がある。(バンコク=貝瀬秋彦)