一徹さん=浅野哲司撮影
男女の対等なパートナーシップを阻む一因にアダルトビデオ(AV)に象徴される、女性を「消費するモノ」ととらえる男性の目線がありそうです。では、女性向けはどんな目線なのか。俳優の一徹さんに聞きました。
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――男性向けと女性向けAVの違いをどのように感じていますか
すごく大雑把に分けると、男性向けはムラムラするもの、女性向けはキュンキュンするもの。
男性向けは、女性の体がよく見えて、だから不自然な体位になるんですが、女性が感じているように視覚的に訴える。自分のモノにできたという征服欲や支配欲を満たすものです。ストーリーはありますが、視聴者の8割は早送りしていると思います。
女性向けは、行為そのものよりも女性が大切にされたいとか、愛されたいという気持ちを満たすコンテンツが多いです。例えば、キャリアウーマンで仕事をバリバリ頑張っていて、でも最近疲れ気味の彼女が帰宅すると、彼が「お疲れさま」と迎える。すれ違いが続いていたけれど、「最近そういうのご無沙汰だったね」と仲直りして……とセックスに至るまでのプロセスをすごく大事にします。2人の関係性を描くんです。カメラも2人が会い、触れて、抱き合ってといった関係を撮ります。男性向けでは男は映らないように撮る。邪魔だから。
――AVに求めるものが違うんですね
一番驚いたのが、僕のAVを女性がヒーリングミュージックみたいに使うこと。自慰のためではないんです。朝、夫の出勤を見送った後、朝食の食器を洗いながらAVを流してるとか。男には信じられない感覚です。
――ファンの女性から、セックスに関する悩みも寄せられるそうですね
セックスレスやマンネリ、セカンドバージンのほか、乱暴なセックスをされるけれど痛いと言えませんといった相談があります。
少しずつ変わってはいますが、…