北野エース垂水店のスープ売り場。粉末やレトルトなど様々なタイプが並ぶ=神戸市垂水区
忙しくて、つい朝食を抜いてしまうことはありませんか。手早くとれるメニューとしてグラノーラやスムージーがヒットしましたが、中でも息の長いのがスープです。
きりとりトレンド 話題の商品を紹介
スーパー「北野エース垂水店」(神戸市垂水区)の売り場には、お湯で溶かして飲む粉末やカップ入り、温めて食べるレトルトなど数多くのスープが並ぶ。久保田昌吾店長は「野菜や春雨などが入っていて、食べ応えがあるものが人気です」と話す。
スープは、1962年の輸入自由化をきっかけに国内でも広まった。初めは海外のように夕食に食べることが多かったが、73年に味の素が朝食向けに粉末スープ「クノール カップスープ」を売り出すと、手軽さが受けて朝に食べる人たちが増えた。
2005年には政府が食育基本法をつくり、朝食を食べない子どもや若者を減らす取り組みを始めたことも追い風だ。各社は温かい朝食を食べようと促すキャンペーンを始めた。調査会社の富士経済によると、17年のインスタントスープの市場規模は5年前に比べて17%増の871億円となる見込みだ。
器に移して電子レンジで温めるだけのレトルトタイプも増えている。粉末タイプより値段が高いが、お湯を沸かさなくても食べられる手早さが売りだ。
ロート製薬が昨年出したレトルトタイプの「ダルーラ」は働く女性がターゲットだ。ロートの調査によると、仕事を持つ20~30代女性のうち、23%が朝食を食べていない。ロートの開発担当者は「簡単に食べられるが、栄養をとれるようにした。忙しい人にも食べてもらいたい」と話す。
「野菜や肉などを煮てつくっているスープは栄養バランスがいい」(日本スープ協会の担当者)。健康への関心の高まりで、メニューにスープを取り入れる人がまだ増えそうだ。(新宅あゆみ)
「朝食べる」シリーズ
フジッコの「朝のたべるスープ」シリーズは、電子レンジで温めて食べるレトルトタイプで、「ミネストローネ」には赤インゲンや大豆が入っている。ほかに「コーンチャウダー」「かぼちゃのチャウダー」など5種類あり、いずれも206円。
朝食向け少なめに
エム・シーシーの「朝のスープ」シリーズはレトルトタイプで、「北海道産とうもろこしのスープ」「淡路島産たまねぎのオニオンスープ」「クラムチャウダー」など9種類。朝食向けに1袋あたり160gと少なめにした。226円。
スパイシーなインド風
ロート製薬の「ダルーラ」はインドやネパールなどで食べられている豆のスープをもとに開発した。葉酸や鉄などが多く含まれるひよこ豆とレンズ豆を使っている。「スパイシーカリー」「スパイシーオニオン」など3種類あり、160g。389円。
舌触りなめらかに
味の素は、「クノール カップスープ」シリーズを2016年にリニューアルし、具材のコーンやカボチャなどを増量した。独自の製法で舌触りをなめらかにし、生クリームのようなコクを強くした。想定価格は3食入りで210円前後。
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