財務省の佐川宣寿(のぶひさ)前理財局長が不起訴処分になったことを受け、野党6党・会派は31日、国会対策委員長会談を開き、佐川氏に対する証人喚問を改めて行うよう要求する方針を決めた。佐川氏は3月の証人喚問で「訴追の恐れがある」として証言拒否を繰り返しており、拒否理由がなくなったとして、事実解明を進める狙いがある。だが、自民党に応じる姿勢はない。
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立憲民主、共産など野党5党と衆院会派「無所属の会」の国対委員長が31日午後、国会内に集まり、佐川氏再喚問と予算委員会の集中審議を複数回実施するよう与党に求めることで一致。立憲の辻元清美国対委員長は「刑事訴追の恐れがなくなった。『訴追の恐れがある』と言って発言しなかった点を、自身の言葉で語る責任が佐川氏にはある」と記者団に語った。
3月の証人喚問で佐川氏は「捜査の対象になっている」として40回以上も証言を拒み、改ざんへの関与の有無などを明らかにしなかった。野党各党はその理由を逆手にとり、財務省が週明けに発表する調査だけでは真相解明にならないとして、再喚問を求めていく。共産の志位和夫委員長は記者会見で「今度は、真相を洗いざらい(話すべきだ)」と求めた。
佐川氏は不起訴となったが、国会答弁に合わせた文書の廃棄や改ざんの事実があったことに変わりはない。前財務事務次官のセクハラ問題と合わせ、すべて在任中に起きている麻生太郎財務相に対して、野党は辞任要求も強める。国民民主の大塚耕平代表は会見で「麻生さんは辞任すべきだ」と重ねて要求。立憲の枝野幸男代表も会見で「理財局長らは麻生氏のもとで任命されている。麻生氏の責任追及について全力を挙げたい」と強調した。
一方、自民党は佐川氏の再喚問…