友人との朝食を楽しむ女性=名古屋市中村区のサラベス名古屋店、戸村登撮影
「ニューヨークの朝食の女王」。そう形容される米国発のレストラン「サラベス」が4月、名古屋に進出した。1981年創業。朝食を求める人の列はマンハッタンの風物詩だ。店の幹部は「名古屋でモーニングといえばコメダ珈琲(コーヒー)店。でも、サラベスは雰囲気で勝負する」。
JR名古屋駅前「タカシマヤ ゲートタワーモール」に入る新店も行列が目立つ。6月下旬の朝、友人と訪れた愛知県刈谷市の会社員清水由紀子さん(31)が頼んだのは「フラッフィーフレンチトースト」(1250円)。マフィンに半熟卵、自家製ソース、パプリカなどを添えた名物「クラシックエッグベネディクト」(1450円)も取り分けて食べた。3人で計5600円。清水さんは納得の表情だった。「フレンチトーストがふわふわで、口の中ですぐに消える感じだった。甘過ぎず、いくらでも食べられそう」
1日の平均来店客数は650人、客単価は1600円。東京、大阪の既存店と遜色ない数字で、名古屋の「モーニング文化」に一石を投じる存在になった。
総務省によると、名古屋市民が支払う喫茶代は、2014年からの3年間でみると1世帯(2人以上)あたり年平均1万2945円。都道府県庁所在地と政令指定都市の中では、岐阜市に次いで2位だ。とりわけ、集客を意識したサービスとされるモーニングはなじみが深い。数百円で飲み物にトースト、ゆで卵がつく――。そんな文化を広めたのはコメダと言われる。国内外に計750店以上あり、出店ペースは年間70~80店。攻勢を続けるが、実は同業者も猛追している。
ドトール・日レスホールディン…