大型貨物など向けの「80」の速度標識と、それ以外の「110」の速度標識が並んだ=1日、静岡県島田市、堀之内健史撮影
新東名高速道路の新静岡IC―森掛川ICの上下線約50キロについて、最高速度を110キロに引き上げる試行が1日午前10時から始まった。1963年に高速道路が開通して以来、100キロだった最高速度が引き上げられるのは初めて。
対象は普通自動車やバスなどで、トラックなど大型貨物車の最高速度は現行の80キロに据え置かれる。走行する車の速度差が広がり、事故のリスクが高まる恐れがあるため、警察は取り締まりを強化する。最低でも1年は試行を続け、事故の発生状況などを分析し、120キロへの引き上げや対象区間の拡大を検討する。
この日、普段から新東名をよく利用するという静岡県掛川市の青野貞紀さん(75)は「人それぞれだけど、運転に自信のない高齢者は怖いかも」。福岡市から大型トラックを運転してきた運送業の笹原淳史さん(41)は「標識を見て初めて、ここから区間なんだってわかった。車線変更の時に追突されるんじゃないかという不安もある。正直今のところメリットは感じられない」と話した。
静岡県警高速隊の望月敏行副隊長は「必ずしも110キロを出さなくちゃいけないというわけではない。追突や衝突事故に注意し、安全に利用して頂きたい」と話した。東北自動車道の花巻南IC―盛岡南ICでも年度内にも引き上げが試行される見通し。(増山祐史、浦野直樹)