国宝「北野天神縁起絵巻」を見る人たち=1日、京都市上京区、佐藤慈子撮影
秋の「京都非公開文化財特別公開」(京都古文化保存協会、朝日新聞社特別協力)が1日始まり、京都市上京区の北野天満宮では最重要の神宝とされる国宝「北野天神縁起(えんぎ)絵巻 承久本」が15年ぶりに公開された。
特集:京都非公開文化財特別公開
絵巻は鎌倉時代の承久元(1219)年ごろの作とされる。北野天満宮の創建の由来を語る多くの「北野天神縁起絵巻」のなかの最古作として「根本縁起」と称される。全9巻に、学問の神様としてまつられる菅原道真(845~903)の生涯や死後の怨霊による災いなどが描かれる。展示された第5巻には、道真が雷神となって清涼殿に政敵の藤原時平(ときひら)を襲う様子が色鮮やかに描写される。
天満宮ではこのほか、桃山時代の絵師長谷川等伯(とうはく)の晩年の大作「昌俊(しょうしゅん)弁慶相騎図(そうきず)絵馬」(国重要文化財)も公開されている。
特別公開は12日まで。受け付けは午前9時~午後4時。1カ所あたり大人800円、中高生400円(公開日・時間、料金とも一部異なる)。問い合わせは京都古文化保存協会(075・754・0120)。(久保智祥)