硬い皮膚で覆われているマタコミツオビアルマジロ=竹谷俊之撮影
■360度いきもの目線
カサカサカサ、サワサワサワ――。土中に埋めたカメラの上をマタコミツオビアルマジロが次々に通り過ぎていく。背中はよろいのような硬い皮膚に覆われ、足や腹部は体毛で覆われている。まるで巨大なダンゴムシ。でも、よく見ると優しそうな顔付きをしている。静岡県東伊豆町の伊豆アニマルキングダムでふれ合うことができる人気の動物だ。
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撮影は5月中旬。展示場で最初に目にしたのは、メロンぐらいの大きさの、ころんと丸まっているアルマジロ1匹。他のアルマジロは岩や木の陰などに隠れている。飼育員の平尾直人さん(22)は「本来、夜行性の動物ですが、飼育環境によって日中も動きます。天気がいいので、暖かくなれば動き出すかも……」。では先に別の動物たちを撮影して来よう。
しばらくして戻ってみると、アルマジロたちは1匹残らずちょこちょこ動き回っている。しかも動きが速い。撮影用に埋めてあったカメラをほじくり返したり、筆者のジーパンにつかまったり。遊ぶことが大好きなようだ。
マタコミツオビアルマジロは、南米ボリビアやブラジルなどの熱帯雨林や草原に生息し、単独行動する。アリクイやナマケモノの仲間。視覚よりも臭覚をたよりにエサを探すといい、大好物はシロアリ。敵に襲われると体を守るためボール状になる。世界に20種類いるアルマジロのうち、完全な球体になるのは、マタコミツオビアルマジロとミツオビアルマジロの2種だけという。(竹谷俊之)