会談にのぞむ林芳正文科相とユネスコのアズレ次期事務局長=3日、パリ、代表撮影
林芳正・文部科学相は3日、パリで開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の総会に出席し、アズレ次期事務局長と会談した。ユネスコの「世界の記憶(旧記憶遺産)」の登録手続きの見直しが進んでいることを評価し、「ユネスコの政治利用がおきないよう、リーダーシップを発揮してほしい」と伝えた。
「世界の記憶」をめぐっては、中国が申請した「南京大虐殺の記録」が2015年に登録された際、日本政府は「一方的な主張に基づいている」と反発。ユネスコの分担金支払いを一時延期し、審査方法の見直しを求めた。
ユネスコの執行委員会は、複数の当事者間で事実関係や歴史認識で意見が異なる場合、話し合いを促して審査を保留するとの決議を採択。10月末には、日中韓の市民団体などが登録を申請していた旧日本軍の慰安婦に関する資料などが「保留」となった。
林氏は記者会見で「ユネスコの過度の政治化」という言葉を使い、「みなが合意し、理解しあうのがユネスコの原則だ。各国の紛争や論争になるなら趣旨とは逆だ」と指摘。アズレ氏にも理解を得たと説明した。
アズレ氏は、ユネスコ総会での…