サウジアラビアのムハンマド皇太子=2016年9月、代表撮影
サウジアラビア政府が4日、11人の王族を含む約50人を汚職などの疑いで逮捕した、と地元紙クティサディヤなどが報じた。対象には、著名な投資家で富豪のアルワリード・ビン・タラル王子やアブドラ前国王の息子で後継候補の1人だったミテブ国家警備隊長らが含まれる。国王の息子で国防相などを務めるムハンマド皇太子への権力の集中がいっそう進みそうだ。
サウジ政府は逮捕に先立ち、ミテブ王子とアデル・ファキーフ経済計画相、アブドラ・スルタン海軍司令官を更迭する国王令を発表。さらに、ムハンマド皇太子を長とする「反腐敗最高委員会」の創設も発表した。政府は逮捕容疑を公表していないが、同委員会が3人を含む一連の逮捕を主導したとみられる。
アルワリード王子は著名な投資家で、米金融大手シティグループのほか、米21世紀フォックスやツイッター社などの大株主でもある。政治とは一定の距離を置く一方、ムハンマド皇太子が進める経済改革には好意的な発言を続けていた。
ミテブ王子は前アブドラ国王の…