健闘を誓い合った招待選手。右から吉田香織(TEAM R×L)、岩出玲亜(ドーム)、シャーロット・パデュー(英)、チェイエチ・ダニエル(ケニア)
3年前の横浜で10代日本最高記録を初マラソンでマークした岩出玲亜(れいあ、22)=ドーム=が12日、心機一転の42・195キロに挑む。5月末でノーリツを退社し、ドームに移籍後の初マラソンは、さいたま国際マラソン(12日、さいたまスーパーアリーナ発着)。10日に開かれた記者会見で、「外国人選手に1秒でも長くついていって挑戦したい。3位以内には食い込みたい」と意気込みを語った。
三重県出身で、愛知・豊川高時代に全国高校駅伝で活躍した岩出は19歳だった2014年11月、横浜国際女子で鮮烈なデビューを飾った。終盤までトップ争いを繰り広げて3位に。2時間27分21秒は従来の記録を2分以上更新する堂々の、10代日本最高記録だった。
昨年3月の名古屋ウィメンズでも、30キロ付近まで先頭集団に食らいつき、2時間24分38秒の5位。自己ベストをさらに2分以上更新したが、「東京五輪を見据えてマラソンに専念したい」との思いから、駅伝に出る必要のないドームへ移籍。所属先が変わって、初めてのマラソンに「家族を含めて色々な方に応援してもらっている」と、モチベーションを高めている。
日本女子にとって、さいたま国際は8月の北海道マラソンに続き、2020年東京五輪の日本代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権がかかるレース。2時間29分0秒以内で日本人3位以内か、日本人4~6位でも2時間28分0秒以内で走れば、19年9月以降に開催予定の代表選考会に出場できる。
日本女子は今夏の世界選手権(ロンドン)で、11大会ぶりに入賞を逃す惨敗を喫した。東京五輪に向けて、若手の台頭が求められているなか、北海道マラソンでは岩出より年下の前田穂南(ほなみ、21)=天満屋=が優勝し、一足先にMGCへの出場を決めた。
さいたま国際には、一昨年のこの大会で日本人最高の2位だった吉田香織(36)=TEAM R×L=も出場する。昨年の大会は9位に沈んだが、今年の名古屋ウィメンズマラソンでは、2時間28分24秒の自己ベストで7位。「MGCを意識しつつ、自己ベストを目指して頑張りたい」と巻き返しを誓う。
18年のジャカルタ・アジア大会の代表選考会も兼ねるさいたま国際は、代表チャレンジャーの部(女子)が、午前9時10分にスタートする。一般参加(男女)は同9時40分にスタートする。(遠田寛生)