記者会見で笑顔を見せる同級生コンビの森ひかる(左)と高木裕美
トランポリンの世界選手権(ブルガリア・ソフィア)でメダルを取った日本選手団が14日帰国し、東京都内で記者会見を開いた。銀メダル二つと躍進した女子は、メダリスト3人がいずれも金沢学院大クラブに所属する。「若い子から元気をもらっている」「同級生には負けられない」。刺激し合って、石川県から世界へと躍進した。
岸彩乃(25)は、五輪種目でもある女子個人で銀メダルに輝いた。金沢学院大2年生の時、2012年ロンドン五輪に出場したが、昨夏のリオ五輪代表を逃した後は、競技を続けることを悩んだ時期もあった。「続けると決めてからは、すべてを吹っ切って1年間頑張ってきた。それが結果につながった」と笑顔を見せた。
2人同時に跳ぶ女子シンクロナイズドで銀メダルをつかんだのは、いずれも金沢学院高3年生の森ひかる(18)、高木裕美(17)。クラスメートである2人は、朝の授業から夜の練習まで「多い時は1日に12時間は一緒にいて、休日も買い物によく一緒に出かける」という大の仲良しだという。世界選手権でのメダルは、日本女子では初の快挙だ。
金沢学院大の職員として働く岸を含め、石川県小松市にある大学の体育館には、日本中の有望な高校生や大学生約40人が集まり、技を磨いている。日本体操協会が2年前から始めたオーディションで選ばれた森は東京都足立区から、高木は茨城県守谷市から「トランポリン留学」中だ。
シンクロナイズドは五輪種目ではないが、森も高木もふだんは個人種目でも高いレベルの演技をみせる。先輩の岸は「若い子には刺激をもらっているが、負けられない。東京五輪はもちろん、来年や再来年の世界選手権でもっと上を狙いたい」。それを聞いていた高校生の2人も「東京五輪でのメダル獲得が大きな目標です」と口をそろえた。(平井隆介)