ハウスウェルネスフーズの新商品「焼きいもだより」(同社提供)
ホット飲料商戦が早くも熱を帯びている。東日本を中心に長雨で振るわなかった夏場の巻き返しにと、飲料各社は、焼きリンゴ味の温かい清涼飲料水や焼き芋味のドリンクなど定番商品とはひと味違った新商品を続々と投入している。
例年よりも冷え込んだ秋口。アサヒ飲料は、自動販売機に設置するホット飲料を例年の10月上旬から今年は2週間前倒した。人気商品「おしるこ」「コクうまコーンポタージュ」の10月の売り上げは、前年比6割増。キリンビバレッジの「午後の紅茶」のホットも同5割増と好調だった。
JRの駅構内の自販機を運営するJR東日本ウォータービジネスによると、最近は一本で満足感のある「小腹満たし系飲料」が人気だという。売り上げは年々伸び、2年前と比べて13・6%増だった。そこでハウスウェルネスフーズは、焼き芋味の「焼きいもだより」を開発し、10月からJR東日本の駅の自販機向けに発売。見た目はリンゴジュースのようにさらさらしているが、味や香りは焼き芋そのものだ。
コカ・コーラシステムも10月、味や香りの付いた清涼飲料水で初めてのホット専用商品「い・ろ・は・す HOT 焼きりんご」を出した。焼きリンゴの香ばしさにはちみつの甘さやシナモンの香りを合わせた。
伊藤園はデスクワークしながらちびちび飲む「ちびだら飲み」の増加に着目。昨年発売した主力の「お~いお茶」の電子レンジ対応商品は、通常のペットボトル商品に比べて売り上げが3割伸びた。そこでコーヒー飲料で初めて、電子レンジで再加熱ができるペットボトル容器を採用。「タリーズコーヒースムースブラックミディアム」を発売した。(牛尾梓)