楽天トラベルの水上ホテル聚楽のページに、利根商高生が作った宿泊プランが並ぶ
群馬県みなかみ町の利根商業高校の生徒たちが作った、水上温泉の老舗ホテル「水上ホテル聚楽」の宿泊プランを、インターネットの旅行予約サイト「楽天トラベル」で販売し始めたところ、2カ月近くで400万円を超える予約があった。ホテルの同サイトでの売上合計の3割程度を占めるという。楽天の担当者も「同様の挑戦をしている全国の高校の中で、売り上げが数百万円というのはまれ」と話している。
楽天(本社・東京)が高校生向けに提供するプログラム「楽天IT学校」の一環。利根商の情報経済科3年の38人が5月から、楽天の大川千秋さん(35)と聚楽の真庭範夫さん(49)を講師に迎えて月1回の授業を続け、町内見学も踏まえながら7チームに分かれてプランを作った。9月20日から楽天トラベルの聚楽のページで実際に販売が始まった。
15日の授業では予約状況の中間発表があった。最も人気があったのは「リンゴ狩り無料体験」を柱にしたチームのプラン。購入者は58組で計199万円の売り上げがあった。次いで同町湯原の水産学習館チケットと、地元工房が作るカスタネットを町の自然の象徴としてプレゼントするプランで、25組が購入し、計88万円余を売り上げた。
このほか、フォトブックやワイン、せっけんなどのプレゼントと組み合わせたプランもあり、7チーム全体の売り上げは121組で計403万円余にのぼった。
リンゴ狩りプランを作ったチームの北川亮太さん(18)は「町の名産だし、季節的にもリンゴと考えた。途中で100万円を超えたと聞き、これはいけると思った。みんなで話し合って考える、楽しい授業です」と話した。真庭さんは「カスタネットをプランに組み入れたのは初めて。人気プランがあれば、スタンダードプランに採用していきたい」と評価した。
次回、12月13日の授業では、各チームが自分たちのプランをアピールし、代表に選ばれたチームが来年1月に全国55校を集めて東京で開かれる「楽天IT学校甲子園」に出場する。大会では、どういった層に向けて売り出すのかなど明確な説明や提案力が試される。売上額を競う賞もある。
同校の参加は3回目で、2015年はネクタイの販売で全国3位とプレゼンテーション賞を獲得した。(井上実于)