日産自動車の無資格検査問題で、日産が最終報告書を17日に国土交通省に提出する。生産拡大で多くの工場で検査員が不足したが、経営陣は認識せず、経営計画を推し進めて現場に無理が生じた▽不正を問題視する従業員もいたが内部通報制度が機能しなかった――などの調査結果や再発防止策が盛り込まれる。経営陣の意識改革も促す。
特集:日産の不正検査問題
報告書は、カルロス・ゴーン会長や西川(さいかわ)広人社長ら役員約10人を含む計約500人から聴取した第三者調査などをもとに日産が作成。関係者への取材で、全容が判明した。
それによると、今回不正が発覚した「完成検査」は、新車の安全性をチェックする国の役割をメーカーが代行する重要な工程だが、日産本社は、検査の重要性を考慮した人員配置を怠った。
検査への意識が薄いまま、近年の生産拡大を推進。業績を伸ばすカギを握る米国と国内市場でのシェア拡大を目指し、2016年ごろから国内工場で増産や生産車種の移管を進めた。検査員の不足や配置のひずみが広がったが、経営陣は窮状を把握していなかった。
各工場は期間従業員などにより…