日産自動車の無資格検査問題で、同社は6日、出荷を停止していた全6工場のうち、オートワークス京都(京都府宇治市)をのぞく5工場で7日から出荷を順次再開すると発表した。5工場では5日までに国土交通省の立ち入り検査があり、再開について同省の承諾を得られたとしている。
日産によると、国交省の立ち入り検査で、届け出書類と工場で作業を行うためのマニュアルとの間に用語などの食い違いが複数見つかり、すでに修正した。
問題発覚後に立ち上げた第三者調査チームによる調査で、完成検査員になるための試験で不正があったことも発覚。講師が試験内容を事前にもらしたり、解答案を事前に示したりするケースが見つかったため、社員への再教育を開始。試験に合格した社員だけを完成検査員とする改善措置をとったという。
オートワークス京都では、6日に始まった国交省の立ち入り検査後に承諾を得られれば出荷を再開する。早ければ週内に全6工場で出荷が再開できるという。
西川(さいかわ)広人社長は10月19日の会見で、出荷停止の期間について「2週間ぐらい」と発言。しかし、法令にそった検査態勢を整えるのに時間がかかり、2週間を過ぎても出荷を再開できていなかった。(石山英明)