埼玉県上尾市発注のゴミ処理施設業務を巡り、市長だった島村穣(みのる)容疑者(73)=辞職=らが官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された事件で、県警は20日、別の業務契約に絡んで現金の授受があったとして、島村前市長を受託収賄、業者側の2人を贈賄の疑いで再逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。
贈賄容疑で逮捕されたのは設備管理会社「明石産業」(さいたま市)社長の山田明(82)、社員の伊藤禎甫(ていすけ)(74)=ともにさいたま市浦和区=の両容疑者。
捜査2課によると、島村前市長は今年5~6月、さいたま市の飲食店などで山田容疑者らから、2018年に更新される「西貝塚環境センター」(上尾市西貝塚)の運転管理業務の次期契約を同社が受注できるよう取り計らってほしいと依頼され、見返りに数回にわたり、計数十万円を受け取った疑いがある。捜査関係者によると、現金授受は市長室でも行われたという。
同センターの運転管理業務を巡っては、前回15年の入札で明石産業が落札したが、「実務経験が確認できなかった」として市が契約を解除していた。
さいたま地検は20日、今年1月にあった同センターのペットボトル結束機運転管理業務の入札情報を漏らしたなどとして、島村前市長と山田容疑者、市議会議長だった田中守容疑者(72)=市議を辞職=を官製談合防止法違反などの罪で起訴した。見返りに50万円を授受したとして田中前議長はあっせん収賄、山田容疑者は贈賄の罪でも起訴。この入札を巡る容疑では伊藤容疑者は処分保留とした。