神奈川県座間市のアパートで男女9人の遺体が見つかった事件で、警視庁は20日、この部屋に住んでいた白石隆浩容疑者(27)=死体遺棄容疑で逮捕=を9人のうち東京都八王子市の女性(23)に対する殺人容疑で再逮捕した。警視庁は、他の8人も同様の状況で殺害したとみて、殺人と死体遺棄の疑いで調べを進める。捜査の焦点はわずか2カ月の間に9人を殺害した動機の解明。東京地検立川支部は、事件の全体像が明らかになった時点で精神鑑定を申請する方針だ。
座間9遺体事件
捜査1課によると、白石容疑者は死体遺棄容疑で逮捕された後、9人の殺害を認め「金銭目的だった。楽して暮らしたかった」などと供述。しかし、次第にあいまいになり、今回の再逮捕後は動機について「話しません」と説明を拒んだという。所持金が少額の被害者も襲っており、金銭だけが目的だったのか、慎重に調べる。
検察は刑事責任能力に問題はないとの考えだが、裁判で争点化された場合、審理が長期化する可能性もあり、捜査段階での鑑定の申請を決めたという。鑑定は数カ月間にわたるとみられ、成育歴や生活状況のほか、違法性の認識などについて調べることになる。
捜査関係者によると、白石容疑者は被害者のうち2人目までと、最後の八王子市の女性については出会った経緯などを詳細に説明しているが、3~8人目は「順番を覚えていない」などと供述しているという。これらの被害者の一部の遺体は損傷が激しく、死因や殺害時期の特定には時間がかかる可能性もある。携帯電話の解析結果や、行方不明になった時期を照らし合わせるなどして、立件を目指すことになる。
■「身の上話した直後に襲…