弾道ミサイルが県内に落下したとの想定で、情報収集や負傷者の救助などの初動対応を確認する関係者=22日午前10時55分、長崎県雲仙市の雲仙市役所、長沢幹城撮影
長崎県雲仙市で22日、弾道ミサイルの落下に備えた国民保護訓練が始まった。国と県などが共同で実施し、外国からの攻撃を受ける「武力攻撃事態」を初めて想定した。午前中は屋内で関係機関による図上訓練を行い、午後からは屋外で住民も訓練に参加する。
訓練は、政府が武力攻撃事態を認定するなか、雲仙市内に弾道ミサイルが落下して家屋が倒壊し、けが人が出るという想定。午前10時半すぎから、市の担当者や迷彩服姿の陸上自衛官、消防隊員らが市役所に集まり、情報収集や関係機関との連絡の手順を確認した。午後からは防衛出動中の自衛隊が、消防や警察と、落下したミサイルを処理、住民の救助や避難にあたる。
内閣官房によると、国民保護法にもとづく国と都道府県の訓練は、2005年から各地で実施。これまでは大規模なテロなどに対応する「緊急対処事態」を想定した訓練で、今回はより深刻な事態に想定を引き上げた。ミサイル発射を想定した住民の避難訓練は各地で取り組まれているが、外国からの武力攻撃事態の認定とそれに伴う災害対処までは想定していなかった。(福井悠介、堀田浩一)