リゾートホテルの開発予定地
赤瓦の民家の集落や、のんびり進む水牛車で知られる沖縄の竹富島(沖縄県竹富町)が、リゾートホテルの建設計画に揺れている。住民は「憩いの場だ」と強く反発しているが、行政は「計画を止める法的根拠がない」と静観する。開発か保護か。好景気に沸く沖縄で、地域との摩擦が問題になり始めている。
白い砂浜と透き通ったエメラルドグリーンの海が広がる竹富島西岸のコンドイ浜。青色の看板が何枚も並ぶ。「島の声を聞かない開発は許さない リゾート反対!」
竹富島は、那覇市から南西に400キロ離れた石垣島から、さらに高速船で10分。周囲9キロ、人口350人の小さな島だ。赤瓦の民家の町並みは、国の「重要伝統的建造物群保存地区」にも選ばれている。
リゾートホテルの建設計画が持ち上がったのは2014年11月。コンドイ浜近くの2・1ヘクタールに赤瓦の木造平屋を50室分建てるとして、事業者のアールジェイエステート(那覇市)が2016年8月、都市計画法に基づく開発を申請。今年1月に県から開発許可を得た。
工事は始まっていないが、同社は建築業者と契約し、近く着工する意向。担当役員は「法的な課題はクリアした。すでに住民には説明しており、さらに同意を得る必要はない」と話す。
住民側は強く反発している。島…