平昌五輪派遣基準を満たす7位となった山元豪=林敏行撮影
ノルディックスキー複合で、22歳の山元豪(ごう、ダイチ)が平昌(ピョンチャン)五輪代表入りに名乗りを上げた。昨季まではワールドカップ(W杯)個人戦で35位が最高だったが、3日の第4戦(ノルウェー・リレハンメル)で7位に入った。生活環境を変え、急成長しつつある。
富山県出身。早大から、今春、地元企業のダイチ(富山市)に入社した。競技に専念できる環境を与えられ、現在は長野県白馬村に拠点を置いている。
この「山ごもり」(山元)が意識を変えたという。白馬は2014年ソチ五輪個人ノーマルヒル銀メダリストで、早大の先輩になる渡部暁斗(北野建設)の出身地で、一緒に練習したこともある。早大時代は学生生活を満喫していたというが、「今は家の外に出たら山しかないから、とりあえず走りに行こうかな、となる。シンプルに競技に向き合える時間が増えた」。それが体力と技術向上につながったと自己分析する。
開幕からW杯遠征に参加。11月23日にフィンランド・ルカであった個人第1戦の予備ジャンプ(HS142メートル)では、1位となる139・5メートルを飛んだ。今月2日にリレハンメルであった団体第1戦のメンバーにも起用され、5位となった。
3日は前半ジャンプで5位につけ、後半距離では終盤まで2位集団に食らいついた。最後は渡部暁に次ぐ7位でゴールし、平昌五輪派遣推薦基準となる8位以内をつかみ取った。ただ、日本の五輪出場枠は4。すでに渡部暁、弟の善斗ら4人が8位以内の基準をクリアしている。「五輪を決めた、よっしゃあって思った。でも、これ(基準突破)だけで終わりたくない」。初の五輪出場をめざし、意気込んでいる。(リレハンメル=勝見壮史)