(15日、楽天12―6西武)
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「もっと早くこういう形になっていればよかったけどね」。看板の強力打線がつながって、首位を相手に今季最多の15安打で12得点。楽天の梨田監督はそう苦笑いした。
一回、いきなりたたみかけた。1死から、茂木が初球のカーブを逆らわずに左前へ。この一打を合図に死球と敵失も絡め、のべ打者10人が連続出塁。8点先取し、主導権を握った。
西武の先発は、打者の手元でボールを動かしゴロを打たせるウルフ。楽天ベンチは球種ではなく、ボールの高さに目を付けた。「ベルト付近から下だとよく変化する。高めに狙いを絞らせた」と高須打撃コーチ。
その言葉通り、ウルフから放った7安打のうち6本は真ん中か高めの球。各打者は強引に引っ張らずに、センターから逆方向へはじき返す打撃に徹した。
開幕前の下馬評は優勝争いの一角。それがまさかの最下位に沈んでいる。原因は打撃不振だ。規定打席到達者の中で打率3割超の打者はゼロ。特に、昨季は6本の先頭打者アーチなどで1番としてチームを引っ張っていた茂木の調子が上がらない。右ひじの手術明けの影響もあるのかもしれないが、梨田監督は「茂木が上がってこないと、打線が固定できない」と嘆く。
それがこの日は火付け役となり、今季初めての3安打。「打線が機能しなかった中で、この展開。これで打線が活発化していくと思う。ここから巻き返したい」と茂木。5年ぶりの優勝を目標に掲げた以上、この勝利を浮上のきっかけにしたい。(松沢憲司)
○梨田監督(楽) 今季初の1試合チーム2本塁打。「風もあったけど、ホームランであることは間違いないからね。これで状態が上がればいい」
○池田(楽) 2年目でプロ初勝利。「一人一人抑えることを意識した。ウィニングボールは両親に贈りたい」
○山下(楽) 8年目で初の1試合3安打。「絶対に結果を出そうと思っていた。初めて3本打てて素直にうれしい」