上空から見た豊洲市場
東京都は15日、豊洲市場(江東区)の開場日を決める市場業界側との協議会を来週中に開くことを明らかにした。協議会では「来年10月11日開場」を決定する見通しだ。入札不調が続いていた豊洲市場の追加安全対策工事も15日、2件の請負業者が決まった。業者未定の工事は残り1件となった。ただ、豊洲の商業施設を巡る問題は進展がみられず、江東区の反発も予想される。
開場日決定について、一部に慎重論もあった水産仲卸業者でつくる東京魚市場卸協同組合が15日、来年10月11日で都と調整してきた業界団体の築地市場協会に対応を一任すると決めた。同協会は都に協議会開催を要請した。開場日決定の遅れによる営業への悪影響などを考慮したとみられ、小池百合子知事は15日、「来週中に開場日が決まる段取りが整った」と述べた。
開場日は11月に決まる予定だったが、市場内につくる予定の商業施設「千客万来施設」の開業見通しが不透明になったことに、地元の江東区が反発。一部の市場業者も問題視して決定が先送りされた。築地市場跡地での2020年東京五輪の駐車場建設計画などへの影響が懸念されていた。
豊洲市場の追加安全対策工事の契約も遅れてきたが、15日の落札で全9件のうち8件で請負業者が決まった。小池氏は同日、残り1件を入札から随意契約に切り替えて業者決定を急ぐことを明らかにし、「年内にも契約を結びたい」と述べた。都は18日から工事を始め、来年7月末の完工を目指す。(伊藤あずさ)