日本銀行は21日の金融政策決定会合で政策の「現状維持」を決めた。長期金利操作の目標は「ゼロ%程度」、金融機関から預かるお金の一部につけるマイナス金利は「年0・1%」でそれぞれ据え置く。ETF(上場投資信託)の買い入れは年約6兆円ペースを維持する。
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長期金利操作とマイナス金利は、政策委員9人(総裁、副総裁2人、審議委員6人)のうち、賛成8、反対1の賛成多数で決めた。片岡剛士審議委員は「来年度中に2%を達成するのが望ましい」として反対した。国債以外のETFなどの資産購入策については全員一致だった。
景気の基調判断は従来と同じ「緩やかに拡大している」とした。海外経済が堅調で輸出や生産が伸び、12月の日銀企業短期経済観測調査(短観)で、大企業・製造業の業況判断は5四半期連続で改善し、11年ぶりの高水準となった。有効求人倍率は43年ぶりの高さで雇用改善も続いている。
ただ物価上昇率はゼロ%台で、「2%」の目標達成はほど遠く、強力な緩和策を続けて達成を目指す。
黒田東彦(はるひこ)総裁が21日午後に記者会見し、決定内容について説明する。(藤田知也)