2020年東京五輪・パラリンピックの経費で、大会組織委員会、東京都、国は22日、総額1兆3500億円(不測の事態に備える予備費1千億円~3千億円は除く)とする最新版の予算を発表した。3者で大枠合意した5月末の時点から350億円削った。国際オリンピック委員会(IOC)は大会開催までに10億ドル(約1100億円)の削減が可能と主張しており、組織委の中村英正・企画財務局長は「資材調達に競争原理を働かせるなどして、さらなるコスト縮減を図っていきたい」と話した。
経費の内訳は、会場関係が8100億円(5月時点より250億円減)、輸送や警備など大会関係が5400億円(同100億円減)。負担の内訳は組織委と都が6千億円ずつ、国が1500億円になった。
5月の時点から、仮設の競技会場の座席数や、大会関係者の公共交通費を無料化する人数や日数を見直すことで、計650億円を削減した。一方、種目数の増加などで、運営費などは300億円膨らんだ。
今回の予算では、仮設施設の試算の精度は上がったが、輸送や警備などはまだ計画が固まっておらず、仮定に基づいて計算している。支出の8~9割は大会前年度の19年度に集中するので、実際にどれくらいの金額になるのか見通せないこともあり、経費はまだ増減する可能性がある。
組織委の財源確保も課題だ。収入でめどが付いたのは5800億円で、負担額の6千億円にはあと200億円足りない。