生放送の直前、進行を確認する関口宏=東京・赤坂のTBS放送センター、伊ケ崎忍撮影
民放各局のニュース・情報番組を見ていると、俳優やタレントら“芸能人キャスター”の活躍が目立つ。30年続く日曜朝の「サンデーモーニング」(TBS系、朝8時)で司会を務める関口宏は、その草分け的存在だ。視聴率ランキング上位の常連でもある番組の、舞台裏を取材した。
「おはよう」。11月末の日曜朝。7時半ごろに関口宏がスタジオ入りする。続いてレギュラーで毎日新聞特別編集委員の岸井成格、外交評論家の岡本行夫、福山大客員教授の田中秀征、評論家の大宅映子、作家の幸田真音、評論家の荻上チキらパネリストも。セットの半円形テーブルを囲み、コーヒーを飲みながら発言の順番を決めていく。
具体的な打ち合わせは一切なし。進行表に書かれているのは番組の流れだけ。「練習したら予定調和になっちゃう。二度目の言葉って死んじゃうんだよね。最初のリアクションが大事」と関口。たいてい最後にコメントする岸井は、他のパネリストと内容がかぶらないよう、話すテーマを複数用意しているという。
8時、生放送がスタート。冒頭の「カバーストーリー」では、エジプトテロや脱北兵の銃撃事件、森友問題など、この週の主なニュースを伝えていく。さらに「1週間のニュース」では、関口自ら原稿を読む。
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1週間の出来事を振り返るこのスタイルは、実は関口の発案。番組が始まった1987年当時、週間ニュース番組はほとんどなかったという。関口は収録で海外へ行くことが多かった。「留守の間に起きていることが気になっていた。日本にいても仕事が忙しく、あまりテレビを見られない人もいる。まとめて見たいという感覚が視聴者の中にあるはずだな、と」
スタッフは水曜日から連日会議…