2人が刺されたとされる現場付近を調べる捜査員ら=31日午後4時31分、京都市伏見区、小林一茂撮影
31日午後3時ごろ、京都市伏見区肥後町の路上で、「人が刺されている」と110番通報があった。京都府警によると、大津市木戸の猪飼将希(いかいまさき)さん(27)と同市朝日の男性(45)が刺されて病院に運ばれ、胸を刺された猪飼さんがまもなく死亡した。男性は腕を切られて重傷を負った。京都府警は同日、職業不詳の中村正勝容疑者(50)=同区=を殺人未遂の疑いで緊急逮捕し、発表した。
路上で刺され男性2人死傷、容疑者緊急逮捕 京都・伏見
伏見署によると、中村容疑者の逮捕容疑は、同日午後、もめごとを話し合おうとしていた男性の腕を切りつけたもの。「刃物で刺した」と容疑を認めているという。中村容疑者は同日夕、大阪府警四條畷署に出頭した。
猪飼さんはワンボックス車で男性ら5人と一緒に中村容疑者の自宅付近に到着し、車から降りてまもなく胸を刺された。5人のうち2人は女児で、けがはなかった。車は前部が壊れ、男性は車内で血を流して倒れていた。
捜査関係者によると、男性の娘と中村容疑者は過去に同じ職場で働いていたが、最近はトラブルになっていたといい、男性が娘や知人の猪飼さんらと一緒に話し合いをするために訪れていたという。
現場は伏見区役所に近く、住宅やマンションなどが立ち並ぶ一角。近くの商店の女性(57)は「早くーっ」と叫ぶ女性の声が聞こえ、外に出ると、倒れている人を数人で介抱しているのが見えたという。
猪飼さん宅の近所の女性(46)は「愛想もよくてすごくいい子だったのにかわいそうで」と話した。
現場近くで商店を営む男性(81)は「息子に『パトカーがたくさん来ている』と聞いて現場に行こうとしたが、ロープが張られていて近づけなかった。人が刺されたと聞いた。30年以上住んでいるが、普段は静かなところで、こんなに大きな事件は起きたことがない」と驚いた様子だった。