国の2013年度の助成金約4億3千万円をだまし取ったとして詐欺罪で起訴されたスーパーコンピューター開発会社前社長斉藤元章被告(49)が、経費を水増しして助成金を申請する行為について、部下から「問題ではないか」などと指摘されていたことが関係者の話でわかった。東京地検特捜部は斉藤被告が違法性を認識していたことを示すやりとりとみている。
助成金「別事業の開発資金に」 スパコン詐欺事件容疑者
特捜部は1月上旬にも、斉藤被告が起訴内容とは別に、国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)の12、13年度の助成金について、経費を一部で水増しする手口で不正受給したとみて、詐欺容疑で再逮捕するとみられる。この助成金はスパコンの省エネ技術革新に対するもので、社長を務めていたスパコン開発会社「PEZY Computing」が計6億3300万円を受けていた。特捜部が、詐欺の被害額の特定を進めている。
関係者によると、すでに起訴された13年度のNEDO助成金を申請する際、PEZY社で斉藤被告の部下だった鈴木大介被告(47)=詐欺罪で起訴=は、経費を水増しした書類を作成することに抵抗したという。しかし、斉藤被告は鈴木被告の反対を押し切って虚偽の書類を作るよう指示し、NEDOに提出させたとされる。
斉藤被告の関連会社は10年度…