京都市伏見区の路上で刃物で刺されたり切られたりして男性2人が死傷した事件で、殺人未遂の疑いで逮捕された中村正勝容疑者(50)=同区=は、かばんに刃物をしのばせて現場に行き、トラブルになっていた男性側と話し合う間もなく、刃物を振り回したことがわかった。捜査関係者が明らかにした。
女性叫ぶ声「早くーっ」 京都、路上で2人刺される
伏見署によると、中村容疑者は昨年12月31日午後3時ごろ、知人の男性(45)=大津市=の腕を切りつけ、大けがをさせた疑いがある。「相手の命がどうなってもいいと思ってやった」と容疑を認めているという。男性は切られた後、乗ってきた車に乗り込み、車内で家族らといたところを消防隊員に保護された。
京都府警は今後、男性と一緒にいた同市の猪飼将希(いかい・まさき)さん(27)の胸を刺して死亡させたとみて、殺人容疑でも捜査する。府警は1日、司法解剖の結果、死因は出血性ショックと、血液が心臓を圧迫する心タンポナーデだったと発表した。
男性の娘と中村容疑者は同じ職場に勤めていたことがあったが、最近はもめごとになっていた。捜査関係者によると、男性側が話し合おうと呼びかけ、男性が娘や知人の猪飼さんらとともに中村容疑者宅に向かった。到着後、男性や猪飼さんが車から降りようとしたところ、中村容疑者が刃物を出したという。